「ブログに必要な文章力を身につけたい!」
そう思っていたときに出会った1冊。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
今回はこの『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の書評を書いていきます。
結論から言うと、ブロガー必読の1冊です!
この本さえ読んでおけば、ブログに必要な文章力を身につけることができます。
さっそく詳細を見ていきましょう。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』概要・著者
まずは本の概要と、著者について。
この本の著者は、多数のヒット作を生みだしている古賀史健さん。
世界累計500万部の大ヒットとなった、『嫌われる勇気』の著者でもあります。
古賀さんは、15年以上フリーのライターとして活躍している、まさに“書くこと”に関するプロです。
そんなプロが書いた本書は、一言で言うと「書く技術の授業」。
今まで学校では教わらなかった、文章の書き方についてまとめられています。
内容はよくある小手先のテクニックや精神論ではなく、それよりももっと本質的な
- 書くための意識
- 技術
- 考え方
など、文章の幹となる部分について書かれています。
そのため、ブロガーはもちろん、普段少しでも文章を書く機会がある人なら必ず役に立つ内容です。
では具体的にはどんな内容なのか。次の章でいくつか抜粋してご紹介します。
要点まとめ|ココがブログに役立つ!
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』は、ガイダンスを含めた5つの講義から構成されています。
- ガイダンス…そもそも文章とは何のか
- 第1講『リズム』…読みやすい文章に必要な『リズム』とは
- 第2講『構成』…文章をどう構成するか
- 第3講『読者』…どうやって読者に読ませるか
- 第4講『編集』…文章を編集するとは
そして今回は、1つの講義から1つずつ、特にブログに役立つと感じた箇所を紹介していきます。
とはいえ、実際には1つの講義から1つではまったく足りないほど濃い内容です。
詳しくは実際に本を手にとって、自分で確認するのが1番ですよ。
ガイダンス:『書くこと=考えること』
まずガイダンスでは、文章とは何なのか、”書く“とはどういうことなのか、といった本書の土台となる内容が書かれています。
そしてこのガイダンスで、最もブログに役立つと思った箇所は、
「書くこと=考えること」
という主張です。
著者の古賀さんは、「書くという行為は、理解を深める行為でもある」と言っています。
なぜ書くことで理解が深まるのか。それは、書くためには頭の中を整理して、アウトプットする必要があるからです。
確かに記事にしたことって、より理解できて、かつ記憶にも残ってますよね。
そしてこの記事もまさにそうです。ぼくは本の内容をより理解するために、記事に書きました。本の内容を整理し、アウトプットしたんです。
その結果、記事を書く前と後では、本への理解度がまったくちがいました。
あきらかに記事にした後の方が、本の内容を理解できています。
書くという行為には、それだけ力があるんです。
第1講:読みにくい文章を防ぐには接続詞に注目
第1講では、いい文章に必要な「リズム」について解説されています。
そんな第1講で特に印象に残ったのは、読みにくい文章について。
本書では読みにくい文章とは、
「文章がおかしいのではなく、文と文の『つなげ方』や『展開の仕方』がおかしいのだ」
と書かれています。
では読みにくい文章を防ぐためにはどうすればいいのか。
答えは「接続詞」への意識です。
まずは、本書にも出てきた読みにくい文章の例をあげてみましょう。
読みにくい文章の例
「企業のリストラが進み、日本の終身雇用制度は崩壊した。
能力主義の浸透は若手にとって、大きなチャンスである。」
一見すると大きな間違いはないように見えるこの文章、ただどこか違和感を感じませんか?
この違和感の正体は、文のつながりにあります。
1つ1つの文は正しいです。しかし、「終身雇用制度の崩壊」は「能力主義の浸透」にはつながりません。論点がすり替えられているのです。
ここで活躍するのが接続詞。
例に出した2つの文をつなぐ接続詞を考えてみましょう。
「そして?」「だから?」「しかし?」…。
実はどれもあてはまらないんです。このことから、2つの文がまったく違う話をしているとわかります。
このように、接続詞が入るかをチェックすれば、支離滅裂で読みにくい文章になることを防げるのです。
とはいえ、すべての文を接続詞でつなげろというわけではありません。
あくまで、「そこに接続詞が入るかチェックする」という意識が大切です。
第2講:読みやすい文章は3層のマトリョーシカ構造
ガイダンスと第1講は、本書の大前提となるような内容でした。
第2講のテーマは、文章の構成についてです。
この第2講で著者の古賀さんは、「読みやすい文章とは論理的な文章である」と語っています。
これだけ聞いても、ピンときませんよね。
本書では、この論理的な(読みやすい)文章をマトリョーシカ人形に例えています。
マトリョーシカ人形とは、人形をあけるたびに一回り小さな人形が出てくる、ロシアの伝統的な土産品です。
そして論理的な文章とは、下記の3層のマトリョーシカからできています。
まず伝えたい主張があり、その中に主張の理由、さらにまたその中に理由を支える事実がある。(主張→理由→事実)
この3層を守りうまく連動させることで、論理的な文章、つまり読みやすい文章になるというわけです。
ここで1つ例をみてみましょう。
マトリョーシカ構造の例
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』さえ読めば、ブログに必要な文章力は身につきます(主張)
なぜなら、この本にはブログに役立つ「書く技術」が、わかりやすく鮮明に書かれているからです(理由)
事実として、ブログで月7ケタ稼いでいるマナブさんも、本書を「文書のことを学ぶならこの本」とおすすめしています(事実)
この文は主張・理由・事実からできていますが、理由と事実のどちらかを抜いて読んでみてください。
主張が弱く聞こえませんか。
読みやすい文章にするためには、主張・理由・事実の3つがそろっていなくてはいけないのです。
第3講:読者のイスに座る
第3講では、文章に不可欠な読者の存在について解説されています。
ブロガーには、この第3講をぜひ読んでいただきたい!
なぜなら、「読者は何を求めているか」「どうすれば読者は動くか」など、本書のなかで最もブログに役立つ部分だからです。
読んでいると、「あれ、これってあの先輩ブロガーも言ってたな」みたいな箇所がたくさんでてきておもしろいですよ。
そして今回はそのなかでも1つ、
文章を書くときにどんな読者を想定すればいいのか、という部分をピックアップしました。
結論から言うと、文章を書くときは下記の2人に向けて書くといいです。
- 10年前の自分
- 特定のあの人
この2人の読者のイスに座り、同じ視点で同じ景色を見ることが、読者の理解につながります。
それぞれ説明していきましょう。
①10年前の自分に向けて書く
まず1番有効なのは、10年前の自分に向けて書く、ということです。
10年という数字は、半年前や20年前と考えてもいいです。とにかくあの時の自分に向けて書きます。
ではなぜ10年前の自分に向けて書くのか、それは
いま、この瞬間にも日本のどこかに、「10年前のあなた」がいるから
です。
あの時の自分と同じ悩み・問題を抱え、同じ景色を見て、同じように苦しんでいる人が必ずいます。
そんなあの時の自分は「どんな言葉をきらい、どんな言葉に耳をかたむけ、どう伝えれば納得するか」自分ならわかるし、書けるはずです。
『過去の自分に向けて書く=いまを生きている「誰か」に向けて書く』
ということなのです。
②特定のあの人に向けて書く
それから、直接の知り合いのだれか1人を想定して書く、のも有効です。
つい多くの人に読んでほしいと、多数派に向けて文章を書いてしまいがちです。
でもこうしてみんなに向けて書いた文章は、皮肉にも誰からも読まれない文章になってしまいます。
ターゲットを特定のあの人にまでしぼるからこそ、他者に伝わる文章が書けるのです。
特定のあの人に向けて書く例
×…20代の会社員
〇…東京の/工場に勤める/23歳の/1人暮らし/彼女なし/のあの人
文章を書くときは、下記の2人に向けて書く。
- 10年前の自分
- 特定のあの人
ターゲットをしぼることで、より多くの人にささる文章になる。
第4講:推敲の禁句は「もったいない」
第4講のテーマは推敲(すいこう)。
書き終えた文章は読み返して、書き直したり、削ったり補ったりする必要があります。
ブログでもそうですよね。
そしてこの第4講で最も役立つと思ったのが、
文章を見直す際の、「もったいない」の禁止です。
あなたにもこんな経験はないですか?
- がんばって書いたのに削るのは”もったいない“
- せっかく調べたから入れないのは“もったいない”
文章を削るのって、ついもったいないと思っちゃいますよね。
でもこれは読者には関係ないことです。
読者は、あなたの「がんばり」や「悩んだ量」を評価するのではない。
あくまでも、文章の面白さ、読みやすさ、そして、書かれた内容について評価を下すのである
読者がみているのは、あなたのがんばりではなく、書かれた内容です。
文書を見直すときは、もったいないを禁句にいらない部分を削っていきましょう。
(ちなみにこの記事も5,000文字から4,000文字にまで削りました笑)
まとめ:『20歳の自分に受けさせたい文章講義』はブロガー必読の1冊!
この記事では、ブロガー必読の1冊、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を紹介しました。
特に重要だと感じた部分をいくつか紹介しましたが、ブログに役立ちそうな情報はありましたか。
今回紹介したのはほんの一部分だけです。
他にも
- 文章を音読する際のポイント
- 自分の文章にツッコミを入れる
など、ブログに役立つ内容が盛りだくさんとなっています。
読んだことがないブロガーは、ぜひ1度手にとって読んでみてください。
この1冊さえあれば、ブログに必要な文章力を身につけることができますよ。
以上、「書評『20歳の自分に受けさせたい文章講義』この1冊でブログに必要な文章力は身につく!」でした。
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